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知的障害とは?特徴や関わり方のポイントを解説

幼児期から学童期に診断されることが多い知的障害とは、どのような障害なのでしょうか。

お子さんに知的障害があると告知された時、保護者の方は大変驚き、ショックを受けるかも知れません。また、どこに相談したらいいのかわからず不安になることもあるでしょう。

このコラムでは、知的障害についてわかりやすく解説します。

 

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知的障害とは

ここでは、知的障害の定義と診断基準について解説します。

知的障害の定義

厚生労働省では、知的障害は、「知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の支援を必要とする状態にあるもの」と定義されています。

知的機能の障害が発達にあらわれるとある通り、知的機能の障害が成人になってから生じた場合には「知的障害」とはみなされません。

知的障害の診断基準と程度

知的障害とは単に知能の発達が遅れるという意味ではありません。発達の遅れにより、生活に困難が生じている状態をいいます。ですから、知的障害は、「知的機能の障害」と「日常生活の能力」の2つの判断基準で診断されます。

 

①知的機能の発達の遅れ

WISC等の標準化された知能検査によって知能指数(IQ)が測定され、その数値にしたがって以下の4つに分けられます。検査は田中ビネー式知能検査やウェクスラー式知能検査が使われることが多いです。

Ⅰ:IQ20以下

Ⅱ:IQ21~35

Ⅲ:IQ36~50

Ⅳ:IQ51~70

 

②生活能力の発達の遅れ

日常生活の能力は、同年齢の生活能力と比べて明らかに低くなっていることで判断されます。自分の身の回りのことをどの程度できるかという自己管理や運動機能、コミュニケーションの能力などが生活能力の一部です。

日常生活でどれくらい介助が必要かによって、以下の4段階に分けられます。

a:常に全ての場面で介助が必要

b:常に多くの場面で介助が必要

c:時々、または一部で介助が必要

d:注意や配慮が必要

 

上記の判断基準のどちらにも該当した場合、知的障害と診断されます。また、これら2つの判断基準の組み合わせで、軽度・中等度・重度・最重度の4つの程度に分けられます。

【知的障害の程度:程度別判断の導き方】出典:厚生労働省 知的障害児(者)基礎調査

知的障害と発達障害

知的障害と同じく発達期に特性が表れるものに、発達障害があります。発達障害に含まれるのは、ASD(自閉スペクトラム症)・ADHD(注意欠如多動症)・LD(学習障害)の3つです。

知的障害と発達障害はどちらも「神経発達障害群」という神経の機能不全という共通の原因を持つ連続的な障害の仲間です。コミュニケーションが難しい、スケジュール管理が苦手など、生活の中での困りごとが共通することもあります。

発達障害と知的障害は併存することがあり、知的障害の子どもに発達障害の傾向が見られることもあります。

知的障害の特徴

ここでは、知的障害の行動や考え方の特徴について解説します。どんなことができて、どんなことが苦手であるかを知り、適切なサポートに役立てていただきたいと思います。

 

知的障害のある人の考え方

知的障害がある人の多くは、端から見ただけでは生活に困難があるようには見えません。

知的障害があるということは、日常の中でどのようなことに難しさがあるのでしょうか。

知的障害のある人々の考え方や行動の特徴を知ることで、その困難さを想像することができるかもしれません。

 

目に見えないことを考えることが難しい

私たちは、目に見える物事の理解の上位概念として抽象的な物事を理解して生活しています。

「遠足にもっていくおやつを買いましょう」と言われたときに、私たちはまず、「おやつ」という言葉から、チョコレートや飴、ラムネ、あるいはお煎餅といったお菓子を想像することができるかと思います。それは、「おやつ」という抽象的な言葉を、「ご飯の時間以外に食べるもの」という理解ができ、さらにそこに当てはまる具体的なものを思い浮かべられるからです。

知的障害があると、このような思考が難しくなります。

先ほどの例でいえば、「今、ここにないもの」を想像することが難しいので、「おやつ」と言われると、自分がいつも食べているものしかイメージができないのです。

知的障害がある子どもが、初めてのことや初めてのものを非常に怖がることがありますが、それは、自分の経験を元にして初めて行うことを想像することが難しいためであるともいえます。

 

・時間の管理

同じような理由から、時間の管理が難しい場合も多いです。

時間とは、目に見えません。

知的障害があると基本的に「今ここ」を基準にして考えるため、先のことや過去のことを考えることが難しくなります。

何度も繰り返すことで軽度から中等度程度のお子さんの場合、昨日、明日といった近い未来や過去のことは考えられるようになってきますが、朝寝坊して7時に起き、8時までに家を出なければならない。では、一時間でどのように支度したらいいかというようなことをシミュレーションすることは難しい場合が多いです。

そのため、「時間がないから急いで!」というような指示では、何をしていいのかわからずパニックになってしまうこともあります。

 

・お金の計算

お金の理解も難しいことのひとつです。

知的障害がある場合、100円、200円といった数量で理解することは難しく、「200円あればコーラの小さいペットボトルが買える」というように、それで買える物との対応で覚えていたりします。そのため、買い物をしてお釣りが小さくなるような支払いをする、決まった予算内で買いものをするということは難しくなります。

 

・コミュニケーションの難しさ

知的障害があると、幼児期にことばの遅れがあることが多いです。

また、話し初めに遅れが見られないものの、ことばによるコミュニケーションが活発になる3歳頃にことばの遅れが明らかになることもあります。

 

・話し始めが遅い

ことばも概念のひとつです。

そのため、概念の理解が苦手である場合には、ことばの遅れが目立ちます。

 

・質問に答えることが難しい

質問というものが理解できず、一方的に話し続けてしまうことがあります。

質問に対してちぐはぐな受け答えをして、会話が成り立たないということも幼児期にはよく見られます。

 

・ことばが不明瞭

知的障害があると、運動面にも困難さが表れることもあります。

ことばを発音するということも、口周りの筋肉や唇と舌などの運動が関係しています。

ここが上手く動かないと、発音が不明瞭になったりする構音障害が見られることがあります。

 

・自己管理の難しさ

上にあげたような困難さが原因で、日常生活の中で様々な困難が起こります。

時間の理解の難しさはスケジュールが立てられないという困難につながり、先のことを考えて自己管理をするというような複雑な思考が難しいので、健康管理なども困難になります。

また、この先に起こる危険が予測できなければ、安全管理も難しくなります。

「どうしてこんな簡単なことができないの?」と思うかもしれませんが、日常生活の中には、抽象的理解を必要とするものが多く、知的障害のある人たちにとっては困難なことが多いのです。

【程度別】知的障害の特徴

ここでは、知的障害の程度ごとの特徴をご紹介します。

軽度

軽度の知的障害は、乳幼児期では気づかれにくいこともあります。遊びが生活の中心である幼児期には発達の遅れが目立ちませんが、小学校入学後に授業についていけないことが多くなっていくことがよくあります。

基本的な身辺自立は身に付くことが多く、できることもたくさんありますが、複雑な指示などの理解は難しいです。

中等度

知的障害の程度が中等度の場合、幼児期の早い段階から言葉の遅れが見られることがほとんどです。適切な支援や訓練により、学業では小学校2年生程度まで到達できることもあります。個人に合った環境があれば、就労もできるようになります。

重度

幼児期は会話は難しいことがほとんどです。学童期には会話や食事、排泄などの基本的な生活習慣を身に着けることができると考えられます。身支度、入浴などの生活上の活動での支援が必要となることも多いです。

最重度

最重度の知的障害の場合、運動面、言語面での発達に著しい遅れが見られます。会話によるコミュニケーションは難しいですが、非言語的な手段を使って意思疎通を図ることができるようになります。日常の多くの場面で支援を必要とし、重い身体障害やてんかん発作を伴うこともあります。

知的障害の原因

医学の進歩によって、知的障害の研究はずいぶん進んできました。しかし、まだ原因のわからないこともあります。知的障害の原因は発生時期によって様々であるといわれています。ここでは、知的障害の原因として考えられる2つの要素をご紹介します。

先天的要因

1つ目に原因として考えられるのは、先天的要因です。知的障害の約8割は、子どもの生まれてくる前に起こるともいわれてます。具体的には、妊娠中の母体の低栄養、出産前後の感染症や中毒、染色体異常、先天的な代謝異常などが挙げられます。

遺伝的要因もありますが、親の持つ障害が必ず遺伝するわけではありません。正常な遺伝子が突然変異を起こすことも多いのです。また、遺伝しても必ず発症するとは限りません。

後天的要因

2つ目に、後天的要因が知的障害の原因になることもあります。出生後に起こったことが原因で知的障害になる場合です。

例えば、感染症対策がまだ十分でなかった時代には、感染症が重篤化したことによる脳炎が原因で知的障害になることがありました。また、脳機能に影響を与えるほどの強い外傷も、知的障害の原因になりえます。

さらに、乳幼児期の栄養失調や、不適切な養育環境が原因となる場合もあるでしょう。

知的障害の子どもへの関わり方

本人の気持ちや考えを尊重する

知的障害で自分の気持ちや考えを表現することが難しくても、感情や意志はしっかりと持っています。年齢や障害の程度に関わらず、本人の気持ちを尊重するようにしましょう。

わかりやすく伝える

知的障害の子どもは、聴覚的な指示の理解が難しいという特徴があります。そのため、何かを伝えるときには、短い言葉でゆっくりと伝えるようにしましょう。視覚的な指示は理解しやすいため、絵や写真を使って伝えるのも効果的です。

スモールステップで成功体験を積む

知的障害の子どもは、同年齢の子どもと比べてどうしてもできないことが多いため、自信を無くすことが多い傾向にあります。そのため、行動のハードルを下げ、成功体験を積むことが大切です。大きな成功ではなく、スモールステップで小さな成功をたくさん経験できるようにサポートしましょう。

認めて褒める

できないことができるようになったり、望ましい行動をしてくれたら、すかさず頑張りを認めて褒めるようにしましょう。成果ではなく、過程を認めることで、本人の自信にもつながります。

療育機関を利用する

知的障害だとわかったら、療育機関の力を借りることもできます。療育機関では、教育と治療を一緒に受けることができます。専門の資格や知識を持ったスタッフが、その子の障害の程度に合わせて、日常生活を楽に送るためのお手伝いをしてくれるのです。

日々の育児の悩みを相談できたり、子どもへの関わり方のヒントを頂けたりするのも、療育機関を利用するメリットです。知的障害の子どもとその親にとって、頼りになるサポーターとなってくれるでしょう。

まとめ

このコラムでは、知的障害の定義と特徴、原因について解説いたしました。知的障害の子どもと関わる上で大切なのは、必要な支援を受けながら、本人が日常生活を可能な限りスムーズに送れるようサポートしていくことです。

子どもの発達に不安がある方は、一度誰かに相談してみることをおすすめします。専門機関を受診することに抵抗がある場合は、かかりつけ医や子育て支援センター、お子さんが通う園や学校の先生に相談してみてもいいかもしれません。

このコラムが、知的障害への理解と、サポートへのきっかけになれたら嬉しいです。

 

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株式会社ダンデライオンでは、子どもたちの可能性を広げる架け橋となることを目指した療育施設「BRIDGE(ブリッジ)」を千葉県内で9施設展開しています。

「子どもたちへの可能性を導く架け橋となる」を理念に掲げ、子どもたち一人ひとりの可能性を引き出すために、家族や社会とのつながりを大切にしています。

言語聴覚士、臨床心理士、公認心理師、作業療法士、理学療法士、保育士など多様な資格を持つ指導員が全国の特別支援学校や療育施設で実践されている療育技法「太田ステージ」に基づいた指導を行っています。

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