この記事では『放課後等デイサービス』についてご説明します。
●放課後等デイサービスとは
放課後等デイサービス(以下、放デイ)とは、小学生以上の障害のある児童を対象にした学童というとイメージしやすいかと思います。放課後や学校が長期間お休み(夏・冬休みなど)の時に、療育を行う通所サービスです。
放デイにはいつから通えるのかというと6歳からです。主に小学校・中学校・高校に通う6歳から18歳までが対象(年齢によって受けられる療育サービスは異なり、小学校入学までは『児童発達支援(④の記事リンク)』を利用できます)。ですが、高校を卒業しても放デイを受ける必要性が認められた場合、満19歳(20歳になるまで)まで利用できます。
●受けられるサービス
保護者さまが望むことは様々あると思いますが、放デイでは“障がいを持った子どもが、自立して社会で生活できるチカラを育む”ことを目指していきます。
それぞれの子どもの課題に合わせた個別支援計画書に沿って支援を行うため、具体的にどんなことをするのかは人によって異なります。ですが、大きく分けると“⽣活能⼒向上のための訓練”と“社会と交流する支援”の2つに分けられます。
また放デイでは、“遊び”も大切にしています。子どもの発達にとって重要な要素が多いからです。例えば、おままごとでは、おもちゃの包丁で野菜を切るなどしますが、これは筆圧を鍛えるのにも効果があります。また運動も大切です。運動遊びを通じて、体力の向上・バランス感覚など様々な身体能力の向上を目指します。他の子たちと一緒に遊ぶことで、社会性を育むことにも繋がります。また、さまざまな経験・刺激を子どもたちに与えるために、お祭りや七夕などイベントを積極的に行う事業所もあります。
一概に放課後等デイサービスといっても、支援内容や設備などは事業所によって異なります。言語・リハビリなどの専門的な療育を提供する事業所もあれば、学習やスポーツなどに特化した事業所、預かりをメインとしている事業所などもあります。
注意しなければならないのは、サービスの質に関しても事業所によって大きなバラツキがあることです。そのあたりはこちらの記事で詳しく話しているのでご参照ください。
●放デイの一日の流れ(ダンデライオン の例)
▼個別学習
ダンデライオンでは『太田ステージ』という療育技法を学習のベースに置いています。また多様な教材を用意し、工作やゲームなども組み合わせることで、一人ひとりの課題・目標に合わせたていねいな指導を行います。
▼おやつタイム
他のお子さんとおしゃべりをしたりお菓子のやり取りをしたり、子ども同士の活発なコミュニケーションが生まれる時間です。こういった時間も子どもの成長に必要な様々な学びを得ることができるため、大切にしています。
▼自由時間
自由と言っても子どもたちをほうっておくわけではありません。指導員が一人ひとりの興味や意欲に合わせたさまざまな遊びで、他の子どもたちとの関係作りを促します。
▼運動
ドイツ生まれの運動プログラム『バルシューレ』で、体を動かしながらルールを理解したり、チームの一員として役割を果たす練習をします。
●利用料について
利⽤にあたっては、療育⼿帳・⾝体障害者⼿帳は必須ではありませんが、通所受給者証は必要となります。お住まいの市区町村から交付される、福祉サービスを利用するための証明書です(詳しくはこちらの記事をお読みください『利用手順について』)。
気になる利⽤料は、原則1割が⾃己負担です。残りは国・都道府県・市町村が負担します(所得による負担額の上限や⾃治体独⾃の補助を設けている場合もあります)。
●受給者証をもらうにはどうすればいい?
「放デイを利用したい」と思った時に、受給者証を受け取るまでの流れは以下のようになります。
▼気になる放課後等デイサービスを見学
▼住んでいる自治体の福祉の窓口に申請
▼必要書類を提出
医師の診断書やサービス等利用計画案などの提出が必要です。サービス等利用計画案は作成し、提出しなければなりません。保護者さま自身で作成することも可能ですが、難しい場合は、福祉の窓口で紹介された“指定相談支援事業者”に作成を依頼してみてください。
▼市の調査員によるヒアリング
▼支給決定と受給者証の交付
さて今回は、『放課後等デイサービス』についてご説明いたしました。今後も定期的に療育の情報を発信していきますので、また読んでいただけたら幸いです。