この記事では『言語聴覚士の役割』についてご説明いたします。理学療法士や作業療法士はそれぞれ全国に10万人ほどいるのに対し、言語聴覚士はわずか3万8000人しかいません。
そんな言語聴覚士がBRIDGEには現在5名在籍しています。今回は20年の病院勤務経験があり、博士号も取られている木村先生にお話を聞きました。
●言語聴覚士とはどんな職業ですか?
言語聴覚士とは、言葉を話す・聞くといった言語発達、食事をすることに対してむずかしさを持っている方たちの状態を正しく把握し、適切な訓練を提供する専門職です。幼児から高齢者まで幅広い年齢の方を対象にしています。しゃべる前の段階でも、生まれつきの難聴や上手に言葉を発せないと早くからわかっている場合、言語聴覚士が介入することがあります。
●実際にBRIDGEではどのようにお仕事されていますか?
個別支援計画の作成やお子さま一人ひとりの言語面の評価をしています。状態を把握するために検査を用いることもありますが、日常生活での話の内容や発音の仕方、食べ方などを観察することもとても重要です。
どれくらいの知識があるのか、どの発音が苦手なのか、質問に答える力はどのくらい持っているのか。課題を見つけ、療育の中で実践していきます。
また、言語聴覚士の介入が必要なお子さまには個別で「ことばの教室」も行い言葉の発達を促していきます。
●ことばの教室ではどのようなことをしていますか?
ことばを話す、聞くことに難しさを感じている(例えば、どもり・吃音・発音など)BRIDGEに通われているお子さまを対象に、個別に支援を行っているのが「ことばの教室」です。
お子さま一人ひとりによって課題は異なるので、教室でのプログラムは変わりますが、日常生活を送る上での困難を少なくしていくことを目指しています。
※「ことばの教室」に興味のある方は、お気軽にお問い合わせください
子どもたちへの支援はもちろん、ご家族も意思疎通が上手く取れずどう関わればいいか不安に感じていらっしゃる場合もあります。
そのため、ご家族に対してのサポートも言語聴覚士の大切な役割の一つです。様々な情報提供をし、お子さまのことばの発達を促すためのアドバイスをしていきます
●木村先生が日々気を付けていることはありますか?
保護者さまは子どもの成長に対して不安を感じながらも、日々向き合い努力されています。ですから、労う気持ちを常に持ちながら、保護者さまと接しています。また不用意に「大丈夫ですよ」など気休めの言葉は言わないようにしています。具体的にどういったところに不安を感じているかをまずはしっかりお聞きする。そして、どんな支援が必要かを考えていきます。
今はインターネットや本で多くの情報が出ているので、保護者の方もとてもよく勉強されています。ただ、すべての情報が自分のお子さまに当てはまるわけではありません。
そういったことで不安を感じる保護者さまもいらっしゃいますので、しっかりとコミュニケーションを取りながら、情報の取捨選択を言語聴覚士としてアドバイスしています。
●最後に保護者さまへメッセージをお願いします!
言葉の発達に関して心配されている保護者さまも多いと思います。しかし、発達の個人差が大きい領域ですので他のお子さまと比べるのはあまりおすすめできません。
言語聴覚士の介入が必ずしも必要と考えるのではなく、お子さま一人ひとりの成長する力を信じて待ってあげることも必要です。ぜひ今しか見ることができないお子さまの変化をぜひ楽しんでください。
木村先生、ありがとうございます!
株式会社ダンデライオンでは、子どもたちの可能性を広げる架け橋となることを目指した療育施設「BRIDGE(ブリッジ)」を千葉県内で9施設展開しています。
「子どもたちへの可能性を導く架け橋となる」を理念に掲げ、子どもたち一人ひとりの可能性を引き出すために、家族や社会とのつながりを大切にしています。
言語聴覚士、臨床心理士、公認心理師、作業療法士、理学療法士、保育士など多様な資格を持つ指導員が全国の特別支援学校や療育施設で実践されている療育技法「太田ステージ」に基づいた指導を行っています。
教室までお越し頂ければ、子どもたち一人ひとりに合わせたプログラムや療育の様子をご覧いただけます。BRIDGEへ、ぜひ1度ご見学にいらしてください!