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2歳児が喋らない?!考えられる原因や可能性と発達を促すためにできること

1〜2歳は「言葉の爆発期」と言われる時期です。語彙力が伸び、言葉による簡単なコミュニケーションも取れるようになっていきます。ですが、上手にお話しできる子どもが増えていく中で、ほとんど言葉を発しない子もいます。保護者さまの中には、周りの子と比べてしまい、言葉の遅れを気にされている方も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、2歳児の言葉の発達に関して、お話ししていきます。言葉が遅れる原因や発達を促すためにできることなどを、しっかりと解説していきますので、ぜひ最後までお読みください。

 

2歳児が喋らない原因は?考えられる4つの可能性

2歳になってもなかなかおしゃべりが上手くならない、ほとんど話さない、といったことの原因は、大きく分けて4つ考えられます。先天的なものもあれば、後天的なものもあります。  

 

①性格・個人差

子どもの性格によっても、言葉の発達のスピードは大きく異なります。一般的には内向的な子やおっとりしている子は、日常でのおしゃべりが少ないため、言葉の発達が遅くなる傾向があります。

 

ですが、この場合は話せないわけではないので、周りの子と比べておしゃべりが少ないと感じても、言葉が出ている場合はあまり心配する必要はありません。

 

また、言葉の発達が遅れていた子が、ある日突然たくさんおしゃべりするようになることも多いので、「2歳になったら二語文を話せるようになっているのが当たり前」と決めつけることはせず、我が子の個性と受けとめるといいでしょう。

 

②コミュニケーション能力の問題

2歳児はまだ文字を読むことができないため、目で見えているものと耳で聞いた音を結びつけて言葉を理解します。そのため、子どもが興味を持ったものに関して、説明をしてくれる大人がそばにいないと、なかなか言葉の発達は進みません。ママ・パパが日常のコミュニケーションをおろそかにしないことが、言葉の発達には重要です。

 

③聴力の問題

前述した通り、子どもは耳で聞いて言葉の意味を理解します。そのため、聴力に問題がある場合は、言葉の発達が遅れてしまいます。遺伝の場合もあれば、中耳炎によって難聴になったり、単に耳垢が詰まっていて聞こえにくくなったりしている場合もあります。

 

後ろから子どもの名前を呼んだ時に、反応がない・反応が鈍い場合は、小児科や耳鼻科などの専門医に相談することをおすすめします。

 

④発達障害や自閉症

聴力の問題以外にも、先天的な障害によって言葉の遅れが生じている場合もあります。例えば、舌や唇などの運動能力に問題があったり、見る・聞くといった能力に障害があったりする場合です。

 

また、人への関心が薄く、特定のものにしか興味をいだかない自閉症スペクトラム障害(広汎性発達障害)や、極端に集中力のない注意欠陥多動性障害などの場合は、言葉に遅れが見られる傾向があります。

こうした先天的な障害は、言葉の発達に関してだけでなく、日常生活にもさまざまな影響が見られるので、気になることがあれば早い段階で専門医に相談することが大切です。

 

2歳前後ってどのくらい話す?言葉の発達目安

以下に年齢別の言葉の発達の目安を記載します。ですが、あくまでも目安ですので、当てはまらない=病気や障害ではありません。参考程度にご覧ください。

参照:厚生労働省の「保育所保育指針解説書」https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000202211.pdf

 

1歳半から2歳頃

1歳半頃の子どもは「ママ」「パパ」や「まんま」などの単語を使い始めます。はっきりとした言葉で話す子もいれば、喃語(なんご)の子もたくさんいる段階です。

喃語であったとしても言葉をたくさん発することは、唇や舌の動かし方や声帯の使い方の練習になりますので、発達にとってポジティブな傾向だと思ってください。

 

2歳~2歳半頃

それまで喃語しか話せなかった子が、しっかりと聞き取れる言葉を使えるようになってくるのが2歳頃です。また、「ママ まんま」「おちゃ ちょーだい」など、徐々に二語文も使えるようになってきます。

 

2歳半~3歳頃

この頃になると、三語文が出てくる子もいます。少しずつ、思っていることを伝えられるようになり、よりしっかりとコミュニケーションが取れるようになります。また、興味を持ったことに関して「なんで?」と質問するようになります。さらに、自分の名前や年齢など、簡単な質問であれば答えられるようになるのもこの時期です。

 

 

子どもが言葉を話すために必要な力とは?

言葉を話せるようになるには、次の3つの力が必要になります。

 

周囲のものごとへの興味

言葉の発達にはまず、「自分の思っていることを伝えたい」という欲求が必要です。例えば、道路に車が走っているのを見た時に「ブーブー」と言う。これは、目で見たことをただ言っているのではなく、一緒にいる人に「車が走っているよ、見て!」ということを伝えようとしているのです。さらに、それに対してママやパパが「赤いね」と返すと「あかい!」と言葉をマネして返したりしますが、そういった繰り返しによっても、子どもの語彙力は育まれていきます。

 

五感で感じ取ったことを伝えようとする力

視覚だけでなく、五感で感じたことを、伝えようとする力も重要です。例えば、甘いものを食べて「あまいね」と言ったり、救急車のサイレンを聞いて「きゅーきゅーしゃ」と言ったり。これも自分の思いを伝えたい、という欲求を言葉で共有しようとする力の一つです。

 

発音する力

言葉を発するには、舌や顎の力も欠かせません。例えば、舌の力が極端に弱い、口腔の構造の問題でうまく言葉を発せないといった場合もあります。もちろん幼児特有の少し舌足らずな喋り方であれば、ほとんどは成長とともに改善していきますので、心配いりません。

また、日頃からよく噛んで食べるなどを心がけると、舌や顎の力が鍛えられ、発音する力を養うことに繋がっていくのでおすすめです。

 

喋らない2歳児との接し方

2歳になっても喃語しか話せない場合、前述した3つの力が発達していない可能性があります。ここでは、日常的にどのように接すると3つの力が発達していくのかを説明します。

 

子どもが理解しやすいようにゆっくりと話す

早口で話されても、子どもは理解ができません。そのため子どもがまだ言葉をうまく話せない間は、ゆっくりと短めの文章で話すようにしてみてください。徐々に理解できる言葉が増えていくはずです。

 

子どもが発音しやすい幼児語や擬音を使う

「ぶーぶー(車)」「わんわん(犬)」のような幼児語ではなく、正しい言葉を使わせた方がいいのではないか、と考える保護者さまも少なくありません。ですが、中には発音が難しい単語もあります。難しいから話したくない、という思いになってしまうと言葉の発達が遅れる原因にもなってしまうので注意が必要です。

まずは、言葉の正解・不正解にこだわらず、おしゃべりすることが楽しい、と子どもに思ってもらうことが大切です。

 

 

2歳児の発話を促すコツとは?

聴覚の問題や先天的な障害などがある場合は、専門的な治療が必要になってきます。ですが、性格やコミュニケーション不足によって発達が遅れている場合は、日常生活での子どもとの関わり方を少し変えるだけでも、言葉の発達をサポートすることができます。

ここでは3つのポイントに絞ってご紹介しましょう。

 

相づちを打ちながら子どもの言葉を繰り返す

前述しましたが、子どもは目の前にあるものと耳からの情報を繋げて、言葉の意味を理解します。そのため、子どもが見ているものについて「ブーブーが走っているね」「わんわんかわいいね」などと話しかけ続けると、その言葉の意味をインプットしていくことができます。

 

また、逆に子どもが「ブーブー」「わんわん」と言ったら、相づちを打ちながら、言った言葉を繰り返してみてください。子どもはママやパパが反応してくれたことを嬉しく感じ、また次、おしゃべりしてみようと思うようになります。

 

要求語を教えてコミュニケーションの楽しさを示す

「おちゃ ちょうだい」など、要求語を教えることもおすすめです。自分の欲求を言葉にするとそれが叶えてもらえる、反応してもらえる、というコミュニケーションの楽しさを感じてもらえるようになると、言葉の発達が進んでいきます。

 

 

日常生活に取り入れたい2歳児の発話を促す習慣

言葉の発達は、日々の積み重ねが大切です。そのため日常生活に取り入れてほしい習慣をご紹介します。

 

言葉のまねっこ遊び・ごっこ遊び

子どもは大人のマネをするのが大好きですから、「パパのマネをしてみて」といったように、まねっこ遊びを取り入れると自然と話せる言葉が増えていきます。

また、まねっこ遊びが進化していくと、お医者さんやパン屋さんなどになりきる「ごっこ遊び」へと繋がっていきます。

“マネができると言葉も伸びる”とも言われるほど、言葉の発達には有効な方法ですが、強制的にやらせるのではなく、あくまで楽しみながら取り組むことが大切です。

 

口頭指示や質問を多用したコミュニケーション

「何か飲む?」「そこにあるのはなに?」など質問をする機会を、意図的に増やしてみましょう。子どもが言葉を使う場面を増やすことは、言葉の発達を促すことに繋がります。

 

同年代の子どもとの交流

子どもは友達のマネをするのも大好きです。よく保育園や幼稚園に行きだしてから言葉が増えたという話を聞きますが、それは友達のマネを通じて語彙力が伸び、言葉を発する機会も増えるからです。

 

まだ一緒に遊ぶということはうまくできないことも多いかもしれませんが、公園や児童館など、同年代の子どもたちと触れ合える場に行ってみるのは、言葉の発達にプラスになるはずです。

 

さまざまな体験

子どもは新しい刺激に対して、とても敏感です。「これはなに?」「もっとしりたい」と言った好奇心が刺激されると、言葉の発達にとって、とてもポジティブな影響を及ぼします。

 

旅行やイベントに行くといった特別なことだけでなく、いつもと違う道を散歩してみるなど身近で簡単にできることを、日常的に入れていくことが大切です。

その際、目にしたものなどを積極的に声に出して、子どもたちとたくさんコミュニケーションを取るようにすると、より大きな効果が見込めます。

 

発達障害かもと思ったら

発達には個人差があるので、周りの子や一般的に目安とされる発達の段階から遅れていたとしても基本的に問題はありません。ですが、言葉の遅れだけでなく、気になる行動があったりする場合は、発達障害の可能性を疑ってみる必要があります。

 

発達障害は「自閉症スペクトラム障害(広汎性発達障害)」「注意欠陥・多動性障害」「学習障害」の3つに分類されます。この中で言葉の発達に影響が出てくるのは前者2つであると言われています。

 

自閉症スペクトラムは、100人に1~2人くらいの割合で起こる発達障害です。具体的な特徴としては、1歳を過ぎたあたりから「目が合わない」「人に関心を示さない」といった行動が見られるようになります。コミュニケーションに難が出てくるため、言葉の発達も遅れやすい傾向にあります。

 

もう一つの注意欠陥・多動性障害(ADHD)は、集中力が低く落ち着きなく動き回る、衝動的に行動するといった特徴が見られます。

 

言葉の発達は個人差も大きい

ひとつの目安として、2歳児は二語文を話し始める時期と言われています。ですが、これまでもお話ししてきた通り、言葉の発達は個人差が大きいので、二語文を話さないからと言って=言葉が遅れているとは言い切れません。

 

子どもたちは親の感情にとても敏感に反応してしまいます。焦ることなく心にゆとりを持ちながら、子どもと接することを心がけてください。

 

ひとりで抱え込まずに発達や療育の専門家に相談を

周りの子と比べて気になる行動が見受けられ心配な場合には、自治体の相談窓口や発達支援センター・一般の小児科・耳鼻咽喉科などに相談してみてください。

 

最も良くないのが一人で抱え込み、不安が募って育児にも悪影響を及ぼすことです。専門家の助言を受けることで、気が楽になり、適切なサポートを行っていくこともできるようになるはずです。

 

まとめ

お読みいただきありがとうございました。ここまで何度もお話ししてきた通り、言葉の発達に関しては、大きな個人差があるものです。呼びかけにしっかり反応し、言っていることをなんとなくは理解していそうだ、という状態であれば特に心配する必要はありません。

 

言葉を発達させるには、ママとパパが子どもたちと普段からしっかりとコミュニケーションを取り続けることが大切です。

 

ぜひ改めて、愛する我が子との時間をしっかり取ってみてくださいね。

 

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