発達障害の中で「ASD」と呼ばれる種類は、正式名称を「自閉スペクトラム症」といいます。
かつては「広汎性発達障害」といわれていましたが、2013年にアメリカの精神医学会によって診断基準が改定され、以下の呼び名に変わりました。
・自閉スペクトラム症
・自閉症スペクトラム障害
この記事では、ASDという発達障害の特徴や原因を分かりやすく解説します。
そして、ASDをもつお子さまを育てる家庭が受けられる、千葉市内の支援サービスについてもご紹介します。
ASDをもつお子さまの療育や支援先をお探しの方は、ぜひ参考にしてみてください。
ASD(自閉スペクトラム症)とは?
ASD(自閉スペクトラム症)は、発達障害として位置づけられている3種類のうちの1つです。
2013年に診断基準が改定され、ASDの特性は以下のようになりました。
・社会性
・こだわり
・感覚(過敏もしくは鈍麻)
上記3点における障害や特性がみられると、ASDと診断される可能性があります。
それでは、ASDの特徴や原因について詳しく見てみましょう。
ASDの特徴
ASDの特徴は、主に以下の通りです。
・視線が合わない
・表情が乏しい
・名前を呼んでも振り向かない
・人見知りをしない
・後追いをしない
・オウム返しをする
・指をさした方向を見ない
・触られるのを嫌がる
・ごっこ遊びを好まない
・食べ物の好き嫌いが激しい
・言葉や身振りでコミュニケーションをしない
ASDの特性は乳幼児期からみられやすいため、親や保育士、幼稚園の先生によって気づくことが容易な発達障害です。
視線が合わなかったり、強いこだわりがあったり、表情が乏しかったりすると、身近な大人が違和感を感じやすいでしょう。
同じく発達障害の種類にADHD(注意欠陥多動症)というものがあります。
ADHDは、特性が「落ち着きがない」「注意散漫になる」など、一般的な幼児期の特徴と重複します。
そのため、ADHDは診断が遅れたり、大人になって診断されたりする人も多いのが現状です。
ASDの場合は乳幼児期から特性が出やすく、気づきやすいので、早めに支援につなげてあげることが大切です。
ASDの特徴は、上記で挙げた通り多様な種類があります。
コミュニケーションやこだわり、日常的な習慣、感覚過敏(または鈍麻)に至るまで幅広い特性を持つので、本人が居心地の悪さを感じてしまうことも。
しかし、ASDの特性は病気ではなく、持って生まれた特性なので「完治する」ということをゴールにはしません。
日常生活での支障や、本人が感じる生きづらさを少しでも減らすために、それぞれのお子さまに合わせた療育を行うことが先決なのです。
ASDの原因
ASDの原因は、実は解明されていません。
現段階では、生まれつきの脳機能の異常によるものと考えられています。
ASDをもつお子さまの親御さんの中には「育て方が悪かったのか」と悩む方もいらっしゃいます。
しかし、親御さんからお子さまへのかかわり方やしつけによって発症するものではありません。
生まれつきの脳機能の障害であり、ASDは病気ではありません。
そのため「完治する」ということはなく、本人や周囲が感じる困難に配慮しながら、適した環境や教育によって、症状の改善や発達の促進を試みます。
ASDの診断基準や診断方法
ASDの診断は、医療機関で行われます。
ASDの特性は生後2年目で現れることが多いとされており、早ければ1歳半検診で指摘されることがあります。
保健師や保育園・幼稚園の先生、または親御さんがASDの傾向に気が付いたら、大学病院や小児科、もしくは発達外来を併設している医療機関を受診しましょう。
診断方法は、主に以下のようなものです。
・問診
・行動観察
・心理検査
・知能検査
上記の方法を用いてお子さまを診察し、医学的な基準を満たしていると判断されれば、ASDと診断されます。
しかし、一度の診察で診断が下りることは少なく、数回に分けて検査を行い総合的に判断するのが一般的です。
その日のコンディションや体調、お子さまの機嫌によって結果が異なることがあるためです。
ASDの診断基準は、2013年にアメリカの精神医学会が改訂したものに伴い、以下の条件とされています。
・複数の状況(学校や家庭など)で社会的コミュニケーションに欠陥がある
・反復する行動が2つ以上ある(身体の運動や会話など)
・上記の症状が発達早期からみられ、6ヶ月以上持続している
・上記の障害が「知的障害」や「全般性発達遅延」に該当しない
上記の条件が揃ったとき、ASDと診断されることがあります。
ASDの子どもが受けられる医療や支援
ASDの子どもが受けられる医療や支援には、以下のようなものがあります。
・合理的配慮
・療育
・薬物治療
お住まいの自治体の窓口に問い合わせたり、お子さまが通われている保育園・幼稚園・学校などに相談したり、医療機関を受診したりして、支援を受けることができます。
それぞれどのような特徴があるのか、詳しく見ていきましょう。
合理的配慮
合理的配慮は、学校や社会生活の中で、ASDをもつお子さまにとって支障となっている事情を改善したり調整したりすることです。
ASDのみならず、発達障害や知的障害などあらゆる障害をもつ人に対して行われるものです。
ASDのお子さまに対して行われる合理的配慮には、たとえば以下のものが挙げられるでしょう。
・感覚過敏をもつお子さまにはサングラスやノイズキャンセリングヘッドフォンの着用を認める
・指示を急に変更せず、ASDをもつお子さまが見通しを立てやすい授業をする
・言葉による指示だけでなく、視覚的補助を提供する
上記のような合理的配慮がなされることで、ASDをもつお子さまが生活しやすく、また全員が平等に学校生活に参加できることを目的としています。
療育
ASDをもつお子さまは、療育サービスを受けることができます。
療育とは、身体障害や知的障害、またASDのような発達障害があるお子さまの発達を促し、自立した生活を送れるよう支援する取り組みのことです。
「療」という字が使われていますが医療行為をすることは少なく、お子さまそれぞれの発達や障害特性に応じて、自立と社会参加を目指した教育が行われます。
このあとご紹介しますが、弊社ダンデライオンでは【BRIDGE(ブリッジ)】という療育施設を提供しております。
ASDをもつお子さま、そしてそのご家族様を支援するための体制や取り組みに力を入れています。
薬物治療
ASDをもつお子さまの中で、以下のような症状がみられる場合には、薬物治療が行われることがあります。
・興奮
・パニック
・自傷行為
・攻撃性
・不眠
薬物療法は、ASDの特性からくる特定の症状を抑えることを目的として行われます。
ASDを完治させることは難しいので、上記の薬物療法は一般的に「合理的配慮」と併用して行われることが多くあります。
千葉で受けられるASDの支援サービス
ASDをもつお子さまとそのご家族様の支援サービスとして、弊社ダンデライオンが提供する療育サービス【BRIDGE】をご紹介します。
BRIDGEは、千葉県千葉市エリアに拠点を置いている療育サービスです。
未就学児を対象にした児童発達支援、小学生以上を対象にした放課後等デイサービスなど、さまざまな形で療育の機会、場所を提供しています。
千葉市に住むご家庭、ASDをはじめとする発達障害を抱えるお子さまを持つご家庭を、全面的にサポートする体制が整っています。
千葉市の療育をお探しの方、またASDをもつお子さまを育てる保護者様は、ぜひ一度BRIDGEにお問い合わせください。
ここからは、ASDをもつお子さまに対し我々BRIDGEがどのようなサポートをしているか、ご紹介します。
ASDの療育ならBRIDGE
BRIDGEで行われる療育は、お子さまの中に「生きる力」を育てることです。
ASDをもつお子さまは、その特性から日常生活でさまざまな困りごとを経験します。
・周囲の理解を得られにくい
・「空気が読めない」「自分勝手」というレッテルを貼られる
・一生懸命努力しても失敗を繰り返してしまう
これらのストレスや葛藤は、ASDをもつお子さまご本人が誰よりも痛感しています。
生きづらい世界や環境でずっと耐え続けるのではなく、BRIDGEではお子さま一人ひとりに適した療育を行い「生きる力」を育みます。
お子さまのできることを増やし、笑顔を増やし、喜びの多い人生を歩める未来を作るべく、力を尽くしています。
BRIDGEでは何をする?
BRIDGEでは、お子さまの発達特性や性格に合わせた療育を提供しています。
BRIDGEで学ぶお子さまは、ASDだけでなくさまざまな障害や特性をもつ、個性豊かなお友だち。
一人ひとりに適したかかわり方やアクティビティが異なりますので、以下のことを指針として、適切なアプローチをします。
・子どもの意欲を引き出す
・子ども同士の関係づくりを重視する
・創造的なアクティビティを行う
学校や社会生活などの集団生活では補いきれない、個々へのきめ細やかなアプローチを行い、お子さま一人ひとりとしっかり向き合います。
BRIDGEに通うお子さまから「楽しい」「できることが増えた」という思いを引き出すことができたら、幸いに思います。
まとめ
ASD(自閉スペクトラム症)という発達障害について解説しました。
ASDは、現代30~50人に1人のお子さまが診断される、決して珍しくはない発達障害の1つです。
しかし、まだ世間から完全に理解されることには課題が残り、ASDをもつお子さまが生きづらさや居心地の悪さを感じることがあります。
ASDの特性を活かしながら、また問題行動を抑えながら、快適に生きられる環境を作ったり、探し求めたりすることが大切です。
BRIDGEでは、発達障害をもつお子さまを対象とした療育サービスを提供しています。
ASDをもつお子さま、そしてその保護者様がより生きやすくなるよう、明るい未来につながるよう、BRIDGEの指導員とともに歩んでいきましょう!
株式会社ダンデライオンでは、子どもたちの可能性を広げる架け橋となることを目指した療育施設「BRIDGE(ブリッジ)」を千葉県内で9施設展開しています。
「子どもたちへの可能性を導く架け橋となる」を理念に掲げ、子どもたち一人ひとりの可能性を引き出すために、家族や社会とのつながりを大切にしています。
言語聴覚士、臨床心理士、公認心理師、作業療法士、理学療法士、保育士など多様な資格を持つ指導員が全国の特別支援学校や療育施設で実践されている療育技法「太田ステージ」に基づいた指導を行っています。
教室までお越し頂ければ、子どもたち一人ひとりに合わせたプログラムや療育の様子をご覧いただけます。BRIDGEへ、ぜひ1度ご見学にいらしてください!